カフェや駅、ホテルなど、さまざまな場所で利用できるフリーWi-Fi。
スマートフォンを利用している人は誰しも利用したことがあるのではないでしょうか?
手軽にインターネットを使える便利なサービスですが、適切な使い方を知らないと情報漏えいやセキュリティリスクに巻き込まれる危険性があります。
本記事では、初心者向けにフリーWi-Fiの基本から安全に使う方法、注意点までわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、サイバー被害にあわないようにポイントを抑えて安心してフリーWi-Fiを利用することができるようになります。
ドコモショップでの勤務経験15年以上で元店長の私がわかりやすく解説しますので、安心してご覧ください。
フリーWi-Fiとは?
フリーWi-Fiとは、カフェ、図書館、ホテル、ショッピングモールなどで提供されている、誰でも利用可能なインターネット接続サービスです。
多くは無料で利用でき、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンなどから簡単にアクセスできます。
また、スマートフォンやタブレットなどのWi-Fiをオンにするだけでパスワードを入力しなくてもすぐにWi-Fiを利用することができます。
そんなフリーWi-Fiの特徴を詳しく解説していきます。
フリーWi-Fiの特徴
フリーWi-Fiのメリット
無料または低料金でインターネットが利用可能
フリーWi-Fiはほとんどの場合、無料で利用することができます。
スマートフォンやタブレット、パソコンのWi-Fiをオンにするだけで自動的にWi-Fiにつながりすぐにインターネットを利用することができます。
自宅でWi-Fiを利用できるようにするためには、自分でインターネット回線契約・Wi-Fiルーターの購入orレンタルをしないといけないので初期費用や月額料金が必要です。
それを考えるとフリーWi-Fiなら無料でインターネットを利用できるというのはビックリするほどありがたいことですね。
では、フリーWi-Fiの費用は誰が負担しているのでしょうか。
答えは、フリーWi-Fiを設置しているカフェ、図書館、ホテル、ショッピングモールなどの施設側です。
こういった施設が通信事業者に初期費用や月額料金を支払うことで、施設の利用者が無料でWi-Fiを利用できるようになっているのです。
多くの場合、その施設の利用者が施設を利用してもらうため、長時間滞在してもらうようにするための集客ツールとして必要経費と考えてフリーWi-Fiを設置しています。
データ通信量を節約できる
フリーWi-Fiを利用することで、スマートフォンやタブレットのデータ通信量を節約することができます。
Wi-Fiでの通信はスマートフォンやタブレットのデータ通信量を消費しないからです。
すでに自宅にWi-Fiを導入している人はフリーWi-Fiは必要ないと思うかもしれません。
確かに、「自宅では」Wi-Fiを利用することでデータ通信量を節約できていると思います。
ところが、外出先ではWi-Fiを利用できないので、動画再生アプリやゲーム、SNSなどを利用すると大きなデータ通信量を消費することになってしまいます。
データ通信量が増えるとスマートフォンの料金が高くなってしまったり上限データ量を超えてしまって通信速度の制限を受けてしまうかもしれません。
外出先でもフリーWi-Fiを利用することで、スマートフォンの利用料金や速度制限を気にしたり我慢したりせず、めいっぱいインターネットやアプリを楽しむことができるので便利なんです。
外出先でも高速なインターネット接続を確保できる
フリーWi-Fiを利用することで、外出先でも高速なインターネット接続を利用することができます。
一般的に、通信速度はdocomo・au・ソフトバンクなどの携帯事業者の電波を使った通信よりも、固定インターネット回線由来のWi-Fiの方が通信速度は速いと言われています。
もちろん、フリーWi-Fiも電波状況や一度にたくさんの利用者が同じフリーWi-Fiにつなぐなどの状況になると通信速度は遅くなる場合があります。
通信速度についてはその時の状況で変わりやすいので、状況に応じてWi-Fiのオンオフを使い分けましょう。
フリーWi-Fiのデメリット
セキュリティが弱い
フリーWi-Fiはセキュリティ面では不安があります。
なぜなら、フリーWi-Fiはパスワードを入力しなくても「誰でも」Wi-Fiにつなぐことができるからです。
フリーWi-Fiにつながっている人の中には悪意をもった人もまぎれ込んでいるかもしれません。
万が一悪意のある人と同じフリーWi-Fiにつながってしまうと、どんなことをされるかわかりません。
セキュリティ対策をしないでフリーWi-Fiにつなぐということは、家のカギをかけずに外出するのと同じで、いつ誰に何をされるかわからない状態ということを心得ておきましょう。
誰でも接続可能なため、不正利用のリスクがある
フリーWi-Fiは誰でも接続できるので、不正利用されるリスクがあります。
悪意のある人があなたと同じフリーWi-Fiにつながっている場合、あなたのスマートフォンで利用しているサービスのアカウントやクレジットカード情報などの個人情報を盗み取られる可能性があるからです。
サービスのアカウントを盗み取られるとなりすましで迷惑行為や振り込め詐欺に利用されたり、クレジットカード情報を盗み取られると不正にクレジットカードを利用されてしまうかもしれません。
フリーWi-Fiは大事な情報を盗まれてしまう危険性があるということを知っておくことが大事です。
フリーWi-Fiの主なリスク
フリーWi-Fiのメリットとデメリットを紹介しましたが、セキュリティ上のリスクはとても大きいです。
フリーWi-Fiを利用する場合は、このセキュリティのリスクをしっかりと理解したうえで利用することが重要です。
以下で詳しくセキュリティ上のリスクを解説しますので、よく読んで理解してからフリーWi-Fiを利用するようにしましょう。
情報漏えいのリスク
フリーWi-Fiではスマートフォンやタブレット・パソコン内の個人情報を悪意のある人に盗まれてしまうリスクがあります。
フリーWi-Fiは通信が暗号化されていないことが多いからです。
自宅のWi-Fiを利用するためには、Wi-Fiルーターに設定されているパスワードを入力しないと接続できないようになっています。
ところが、フリーWi-Fiはパスワードを入力する必要がなくだれでもWi-Fiにつなぐことができます。
そのため、悪意のある第三者がスマートフォンなどの通信内容を盗聴する「スニッフィング」が行われる危険性があります。
これにより、スマートフォンやタブレット・パソコン内の様々なアカウント情報(IDやパスワード)、クレジットカード情報などが盗まれることがあります。
「偽装フリーWi-Fi」のリスク
フリーWi-Fiを利用するときに、本物のWi-Fiネットワークと名前が似た「偽装フリーWi-Fi」に接続してしまうリスクがあります。
偽装フリーWi-Fiとは、本物のフリーWi-Fiに似せた名前のSSIDを使うことで、誤って接続した利用者から個人情報などを盗み取る手口のことです。
多くの場合、フリーWi-FiのSSIDにはその施設の名前が入っています。
たとえば、「ホテル名+〇〇〇」、「コンビニ名+△△△」、「カフェ名+☆☆☆」などです。
偽装フリーWi-Fiにつないでしまうと、スマートフォンやタブレット・パソコンの通信内容を盗まれるだけでなく、ウイルスに感染する危険性もあります。
偽装フリーWi-Fiは悪意のある人が用意したWi-Fiなので、フリーWi-Fiにつなぐよりもかなり危険な状態になります。
このような偽装フリーWi-Fiを見分けることはかなり難しいので、フリーWi-Fiを利用するのは注意が必要です。
不正アクセスのリスク
フリーWi-Fiは誰でも利用できるため、悪意のある利用者から同じフリーWi-Fiのネットワークを通じて不正にアクセスされてしまう可能性があります。
スマートフォンやパソコンに不正にアクセスされてしまうと、各種サービスのアカウントやクレジットカード情報を不正に入手されてなりすまして不正に利用されてしまう危険性があります。
自宅のWi-Fiであれば、自分や家族などのWi-FiルーターのSSIDとパスワードを使ってつながる限られた信頼できる人しか同じネットワークを利用しないので問題ありません。
フリーWi-Fiの場合は多くの場合パスワード不要でだれでも同じネットワークにつながってしまうため、不正アクセスの被害を受けやすくなってしまうんですね。
安全にフリーWi-Fiを利用するためのポイント
1. 必要最低限の接続にとどめる
フリーWi-Fiでは、ネット銀行やネットショッピングなど、個人情報や金銭のやり取りをともなうサービスの利用は避けましょう。
重要な情報のやりとりを行うときは、安全な自宅のWi-Fiやモバイルデータ通信で利用するのが安心です。
2. VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用する
どうしてもフリーWi-Fiで重要な情報のやりとりをしたいときは、VPN機能をつかってインターネットを利用するようにしましょう。
VPNとはインターネット上の「あなた専用の秘密の通路」みたいなものです。
あなたのスマートフォンとインターネットとの間に安全なあなた専用のトンネルを作ってその中で通信を行うことで、通信の中身を外の第三者から隠して見えなくするという機能です。
あなたの通信は暗号化されるので、悪意のある第三者からの盗聴を防いでくれます。
フリーWi-Fiを利用する際には、必ずVPNをオンにすることをおすすめします。
ただし、VPNの機能を利用するためにはセキュリティソフトを自分で別途契約する必要があります。
無料のアプリやソフトもありますが、セキュリティが弱かったり無料のアプリ自体が偽物で情報を盗まれてしまう可能性もあります。
信頼できる有料のサービスを利用するのがおすすめです。
月額数百円で利用できるサービスもあるので、万が一の大きな損害に備えた必要経費と考えたら安いものではないでしょうか。
3. HTTPSが有効なサイトを利用する
インターネットのサイトを見るときに、ページの上部にURLといって「http://」や「https://」で始まるサイトのアドレスがあります。
この「URL」はそのサイトの住所みないなものです。
URLが「https://」で始まるサイトは、通信が暗号化されているのである程度安心できます。
ですが、URLが「http://」で始まるサイトは通信が暗号化されていないので、悪意のある第三者から通信を盗み見られて情報を盗まれてしまう可能性があるので注意が必要です。
個人情報やクレジットカード情報などを入力するサイトのURLがどちらで始まるのかよく確認するようにしましょう。
4. Wi-Fiの自動接続機能をオフにする
スマートフォンやノートパソコンは、Wi-Fiの自動接続機能がオンになっている場合があります。
この機能をオフにすることで、意図しない不審なネットワークへの接続を防げます。
特に普段から自宅や職場でWi-Fiを利用している人は、いちいち出社や帰宅のたびにWi-Fiをオンにするのが面倒くさくてついWi-Fiを常にオンにしっぱなしにしていると思います。
ですがWi-Fiを常にオンの状態にしていると、外出中にコンビニやカフェ、駅などの場所でスマートフォンを利用するときに自動的にフリーWi-Fiにつながってしまう可能性があります。
気づかないうちにフリーWi-Fiや偽装フリーWi-Fiを通じた通信を行ってしまい、情報を盗まれてしまう危険性があります。
Wi-Fiの接続はできる限り利用する都度オンにするようにしましょう。
5. セキュリティソフトを活用する
ウイルス対策アプリなどのセキュリティソフトを利用することで、スマートフォンやパソコンを外部の攻撃から保護します。
高機能で色々な機能が使える高額なものもありますが、月額数百円程度で利用できる安価なサービスもあります。
万が一個人情報やクレジットカード情報を盗まれて大きな被害にあうかもしれないのを考えると、とても安い必要経費だと思います。
インターネットにつながるスマートフォンやタブレット・パソコンを利用している人は信頼できる有料のセキュリティソフトを利用するのが常識とも言えます。
また、セキュリティソフトを入れたら入れっぱなしにするのではなく、新しいウィルスなどに対抗するためにも常に最新バージョンに更新することも忘れないでください。
フリーWi-Fiの接続方法
- ネットワークの選択
デバイスのWi-Fi設定を開き、利用可能なネットワーク一覧から正しいSSIDを選びます。 - ログイン認証
多くのフリーWi-Fiでは、接続時にログイン認証が必要です。
メールアドレスや電話番号の入力を求められる場合もあります。
- 接続確認
接続が完了すると、Wi-Fiアイコンがデバイス画面に表示されます。
まとめ:公共Wi-Fiを利用する際の心構え
公共Wi-Fiは、スマートな利用で快適なインターネットアクセスを提供してくれます。
しかし、その利便性の裏には、情報漏えいや不正アクセスなどのリスクが潜んでいます。
本記事で紹介したポイントを実践して、フリーWi-Fiはセキュリティ上のリスクがあることを理解したうえで安全に利用しましょう。
安心して快適なWi-Fi生活を楽しむためには、正しい知識とちょっとした心がけが重要です。
ぜひ、この記事を参考にして、公共Wi-Fiを活用してください!