Wi-Fiの導入

【初心者向け】VPNの役割と使い方【セキュリティ対策】

スマートフォンやパソコンでインターネットを利用する際に欠かせないWi-Fi。

Wi-Fiを利用するうえでセキュリティ対策は必須ですが、その中でもよりセキュリティレベルを高めてくれるのがVPNです。

なんとなくセキュリティ対策は気になっていても、VPNについて正しく理解して適切に利用できている人はどれくらいいるでしょうか。

適切なセキュリティ対策をせずにスマホやパソコンでWi-Fiを利用していると知らないうちに思わぬ被害にあってしまうかもしれません。

「これから自宅にWi-Fiを導入してインターネットを楽しみたいけどセキュリティ対策はどうしたらいいの?」

「現在Wi-Fiを自宅やフリーWi-Fiで利用しているけど、VPNのことがよくわからない・・・」

という人は、ぜひ本記事を読んでVPNに対する正しい知識とセキュリティ対策を学んで、安全に活用するためのポイントを押さえましょう。

ドコモショップで勤務経験15年以上で元店長の私が初心者でも理解できるよう、「VPN」の役割をわかりやすく解説しますので安心して読み進めてください。

Wi-Fiとは?

そもそもWi-Fiとは、ケーブルを使わずに「無線でインターネットに接続する方法」です。

Wi-Fiのことを「無線LAN」とも言います。

スマートフォンが普及する以前は、インターネットを利用するデジタル機器といえばパソコンが主流でした。

そしてパソコンをインターネットにつなぐためには有線のケーブルでインターネット回線とパソコンを物理的に接続する必要がありました。

有線でインターネットにつなぐ方法を「有線LAN」と言います。

ですが、スマートフォンが普及してからはインターネットにつなぐ方法は手軽に接続できるWi-Fiが主流になりました。

Wi-Fiは自宅や職場・公共の場で利用することが多く、スマートフォンやパソコンなど複数のデジタル機器を同時に接続できます。

Wi-Fiの特徴

Wi-Fiは有線LANとは違う特徴がいくつかあります。

以下の特徴を抑えておきましょう。

どこでもネットにつながれる

有線LANと違い、コードが不要なので家中どこでもインターネットにつながることができます。

有線LANの場合はケーブルで物理的につながないといけないので、パソコンを移動させて使うということはできません。

いっぽうWi-Fiの場合は無線でつながることで場所を変えても利用することができるので、ノートパソコンを持ち運んで家の好きな場所で利用することができます。

場所を変えながらインターネットを利用できるのは、有線LANが主流の時代にはなかったWi-Fiのメリットです。

複数のデジタル機器を同時につなげられる

1つのWi-Fiルーターで複数のデジタル機器がインターネットに接続可能です。

有線LANの場合は基本的に1本のケーブルで1台のパソコンしかインターネットにつなぐことができませんでした。

ですがWi-Fiの場合はWi-Fiルーターから無線の電波が出ているので、一度にたくさんのスマートフォンやパソコンなどのデジタル機器をインターネットにつなぐことができます。

家族みんなでスマートフォンやタブレット・パソコンをWi-Fiにつないで同時にインターネットを利用することができます。

それだけではなく、Wi-Fiの技術の発達とともにWi-Fiに対応しているデジタル機器はますます増えていて、プリンタ、テレビ、ゲーム機、エアコン、給湯器、照明、スマートスピーカーなど例をあげればキリがありません。

通信範囲

Wi-Fiルーターから一定の距離まで使用可能です。

一般的には通常10~30メートルくらいであればWi-Fiで無線でつながることができます。

有線LANが主流だった時代は、デスクトップ型のパソコンをケーブルでつながないといけなかったので、ケーブルが届く長さの範囲でしかインターネットを利用することができませんでした。

ところがWi-Fiの場合は、Wi-Fiルーターからの電波が届く範囲であればどこでもインターネットを利用することができます。

Wi-Fiはセキュリティ上のリスクがある

Wi-Fiは便利な反面、有線LANにはないセキュリティ上のリスクがあります。

なぜなら、インターネット回線をケーブルではなく無線の電波でつないでいるからです。

ケーブルの中身は第三者が盗み見ることはできませんが、Wi-Fiは電波を通して無線の中身を盗み見られる可能性があります。

自宅であれば通信が暗号化されているWi-Fiルーターが多いのでまだ安全ですが、フリーWi-Fiはセキュリティが弱いので、利用するときには特に注意が必要です。

通信内容が第三者に盗み見される危険性

Wi-Fiにつながっている利用者の通信内容を悪意のある第三者から盗聴される可能性があります。

パスワード入力も不要でだれでも簡単につなげられるフリーWi-Fiはとくにセキュリティが弱いです。

パスワードで鍵もかけられていないWi-Fiは暗号化されていないので、通信内容を見られてしまう危険があります。

偽のWi-Fiスポットに接続してしまう危険性

本物のフリーWi-Fiを装った偽装フリーWi-Fiに誤ってつないでしまうというリスクもあります。

ほとんどのフリーWi-FiのSSIDは、「カフェ名+〇〇」や「駅名+△△」や「ホテル名+☆☆」という名前になっています。

SSIDの名前を頼りにフリーWi-Fiにつなぐ利用者をだますために、似たような名前をつけて偽装Wi-Fiに接続させ、情報を盗み取るという悪質な手口です。

偽装Wi-Fiにつないで行った通信の内容は偽装Wi-Fiをつくった人にそのまま盗み取られる危険があります。

VPNとは?

VPN(Virtual Private Network)は、日本語訳すると「仮想プライベートネットワーク」と言い、インターネット通信を暗号化する技術です。

これにより、Wi-Fiなどを通じて行う通信内容を第三者が盗み見たり、悪用したりするリスクを減らせます。

VPNの仕組み

VPNは、スマートフォンなどのデジタル機器とインターネットの間に自分だけしか通れない「暗号化されたトンネル」を作ります。

目に見えない仮想の有線LANケーブルを通してインターネットにつながるようなイメージです。

自分専用トンネルを通じてデータを送受信するため、第三者から通信内容を盗み見られることなく安全に利用することができます。

VPNの主なメリット

通信内容の保護

通信内容が暗号化されているため、フリーWi-Fiでも安心してインターネットを利用できます。

VPNを使うメリットは通信内容の保護が一番大きいです。

たとえば、スマートフォンやパソコンでネット銀行やネット証券でお金や株の取引をするときのパスワードを盗み見られることなく安全に取引ができます。

また、ネットショッピングでクレジットカードで商品を購入するときのクレジット情報を盗み取られることなく安全に商品購入ができます。

また、SNSなどを利用するときのログイン情報を盗まれることがないので、悪意のある他人からのなりすましによる被害を受ける心配がありません。

このように、大事な通信内容を守りたい人は必ずVPNを利用してインターネット通信を利用するようにしましょう。

IPアドレスの匿名化

VPNを利用することで自分のIPアドレスを隠してインターネットを利用することができます。

これにより、自分の位置情報や身元情報、ネットの利用状況を悪意のある第三者からみられることなく安心してインターネットを利用することができます。

Wi-FiとVPNの組み合わせでセキュリティを強化する方法

フリーWi-Fiのリスク

フリーWi-Fiは暗号化されていないことが多く、悪意のある第三者に通信内容を盗聴される危険性があります。

クレジットカード情報が盗まれる

カフェや駅、ホテルなどで提供されているフリーWi-Fiにつないでネットショッピングなどをするとクレジットカード情報を盗まれてしまう可能性があります。

フリーWi-Fiは暗号化されていないので、通信内容を盗み取られる可能性があるからです。

クレジットカード情報を盗まれてしまうと、自分では購入していない商品の高額な請求をされるなど、金銭的に大きな被害にあう可能性があります。

高額な請求であれば気づきやすいですが、少額な請求であれば気づきにくいので、継続的に少額な商品の購入に利用されてしまい、トータルで高額な被害を受けるという可能性もあります。

クレジットカード情報を盗まれると直接金銭的な被害にあいやすくなります。

パスワードや個人情報が漏えいする

カフェや駅、ホテルなどで提供されているフリーWi-Fiにつないでネットショッピングなどをすると、色々なサービスのアカウントや個人情報を盗まれてしまう危険性があります。

アカウントや個人情報を盗まれると自分が振り込め詐欺の被害にあうだけでなく、SNSでなりすまして知人に振り込め詐欺に利用される危険性もあります。

自分はもちろん大事な家族や友人などに被害が及んでしまうかもしれないので情報漏えいには注意が必要です。

VPNを使ったセキュリティ対策

VPNを使うことで、フリーWi-Fiでも安全にインターネットを利用できます。

データの暗号化

VPNを利用してインターネットをすることで、パスワードやクレジットカード情報を保護できます。

自宅以外でどうしてもネット銀行やネット証券、ネットショッピングやSNSを利用したいときには安心して情報のやり取りができます。

偽Wi-Fiからの防御

VPNを使うと、偽装フリーWi-Fiに接続しても通信内容が守られます。

フリーWi-Fiがある場所に行くと悪意のある第三者によって誤って偽装Wi-Fiに接続してしまうかもしれません。

ですが、VPNを利用してインターネットを利用することで通信が暗号化されるので、通信内容を盗み見られることなく安全に通信を行うことができます。

偽装Wi-Fiを見分けることは難しいですが、常にVPNを利用した通信をするようにしておけば万が一偽装Wi-Fiにつながってしまっても安心できます。

VPNの利用方法

実際にVPNを利用するためには、サービスを提供しているアプリやソフトを準備する必要があります。

単純にスマートフォンやパソコンのVPNボタンをぽちっとオンにするだけでは利用できないんですね。

次は実際にどうやってVPNを利用するのか具体的に解説していきます。

無料VPNサービスと有料VPNサービスの違い

無料VPNサービス

無料のVPNサービスは料金がかからず手軽にスマートフォンやパソコンでVPNを利用できるサービスです。

AndroidのPlayストアやiPhoneのApp Storeで「VPN」と検索するとたくさんの無料VPNアプリがヒットします。

これらは初期費用や月額料金が不要ですぐにVPNを利用することができます。

ただし、安全性が低いので利用するのには注意が必要です。

通信の暗号化がちゃんと行われているかなどVPNの大事な機能が担保されていません。

また、無料のVPNアプリ自体が偽物で個人情報を盗み取られてしまう危険もあります。

セキュリティを守るために利用した無料のVPNサービスから情報を盗み取られては何のために利用しているのか本末転倒です。

無料のVPNはちゃんとしたサービスかどうか見分けるのがとても難しいので、VPNに詳しくない初心者にはおススメしません。

有料VPN

有料のVPNサービスは料金はかかりますが、セキュリティの信頼性は高いです。

高度な暗号化技術を採用している専門のサービスであり、データの安全性が非常に高いからです。

月額料金タイプと、一定期間の買い切りタイプとがあります。

よほどVPNに詳しい人でない限りは、パソコンやスマホを安全にあんしんして利用したい人は有料のVPNサービスを使うのがおススメです。

VPNを選ぶポイント

では、有料のVPNサービスを選ぶときはどのようなポイントを抑えて利用すればいいのでしょうか。

以下にVPNサービスを選ぶときのポイントをまとめましたので参考にしてみてください。

暗号化の強度

暗号化が弱いVPNは、第三者によるデータの傍受や解読のリスクが高まります。

信頼性のあるサービスでは、暗号化技術に関する情報を明示していますので、公式サイトで確認することが重要です。

ログポリシー

ログポリシーとは、VPNサービスがユーザーの接続履歴やデータを保存するかどうかの方針です。

信頼できるVPNサービスは「ノーログポリシー」を採用しており、ユーザーの活動履歴や個人情報を一切記録しません。

これにより、万が一第三者から情報開示を求められても、提供するデータが存在しないため、プライバシーが守られます。

通信速度

VPNを利用すると、暗号化やサーバーを経由するため、速度が低下することがあります。

そのため、速度に関する性能は選定時の重要なポイントです。

サーバーの品質や数が多いサービスほど、混雑が少なく、高速な通信が可能です。

対応デバイス

VPNサービスがサポートするデバイスの種類も重要です。

一部のVPNでは、複数のデバイスを同時に接続できる機能があります。

家庭内で複数の端末を使用する場合、いくつかのスマートフォンやパソコンでセキュリティ対策をしたいので重要なポイントになります。

1台用のプランと比べて多少料金は上がりますが、複数台で利用できるプランの方がトータルでは費用が安く安心して利用できます。

セキュリティの基本対策

VPNの活用場面

VPNの具体的な活用場面ですが、基本的にはインターネットにつながっている間は常にオンで利用するのがおススメです。

また、特にフリーWi-Fiなどのセキュリティが心配な場面では、必ず利用するようにしましょう。

  • 旅行時:国内・海外での公共Wi-Fi利用時に安全を確保するためにVPNを利用しましょう。
  • リモートワーク:会社の機密情報を守るために必須です。

具体的なVPN利用手順

  1. VPNアプリをインストール
    • App StoreやGoogle Playで信頼できるVPNアプリをダウンロードします。
  2. アカウントを作成
    • メールアドレスやパスワードを登録します。
  3. 接続先サーバーを選択
    • 使用目的に応じて最適なサーバーを選ぶ(例:日本、アメリカ)。
  4. VPNを有効化
    • アプリ内で「接続」ボタンを押すだけでOK。

よくある質問

Q1: VPNを使うとインターネットが遅くなる?

A1: 暗号化の処理が加わるため、若干速度が落ちることがあります。

有料VPNを選ぶと高速なサービスが利用できます。

Q2: VPNはどのデバイスで使える?

A2: スマートフォン、パソコン、タブレット、さらにはWi-Fiルーターでも利用可能です。

Q3: VPNを使えば完全に安全?

A3: VPNはセキュリティを強化しますが、完全ではありません。

最新のソフトウェア更新やセキュリティ意識も重要です。

まとめ

  • Wi-Fiは便利な通信手段ですが、セキュリティリスクがあるため注意が必要。
  • VPNを併用することで、安全にインターネットを楽しむことができます。
  • 公共Wi-Fiを利用する際は、VPNを活用して情報漏洩を防ぎましょう。

これらのポイントを押さえ、安心してインターネットを利用してください!