Wi-Fiの導入

【初心者向け】Wi-Fiルーターの周波数とは?選び方と役割【2.4GHz・5GHz】

Wi-Fiは、日々の生活で欠かせない存在となっています。

そして家庭用のWi-Fiルーターには「周波数」という表記がされているのを見かけます。

しかし、周波数と聞いて「何それ?」と思う方も多いのではないでしょうか?

本記事では、Wi-Fiにおける周波数の役割と、通信を快適にするための選び方について、初心者でも理解しやすい言葉で解説します!

この記事を読むことで、

これからWi-Fiを自宅に取り入れたいけど、周波数のことがわからない!

すでにWi-Fiを利用しているけど、周波数について詳しく知りたい!

という方の悩みをスッキリ解決できると思います。

ドコモショップでの勤務経験15年以上で元店長の私が初心者でも理解できるようわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

Wi-Fiって何?

そもそもWi-Fiとは何かというと、「ケーブルなしでインターネットを利用できる便利な技術」です。

Wi-Fiが登場する前は、ケーブルでインターネット回線とパソコンを物理的につながないとインターネットにつなぐことができませんでした。

それがWi-Fiが登場したことで、家やオフィス、店舗の中などの限られたスペース内であれば無線でインターネットにつなぐことができるようになりました。

このWi-Fiの無線通信は電波を使って行われています。

Wi-Fiの電波はいくつかの周波数で使われることが多く、ほとんどのWi-Fiルーターは2~3種類の周波数がつかえるようになっています。

Wi-Fiルーターに貼られているラベルや説明書には以下のような記載がされていることが多いです。

※画像を添付

上記のような周波数とはいったい何のためにあるのでしょうか。

次から周波数について詳しく解説していきます。

周波数の役割とは?

周波数は、電波が1秒間に振動する回数を表します。

単位は「GHz」と書いて「ギガヘルツ」と読みます。

Wi-Fiでは主に以下の2つの周波数帯が使われます。

  • 2.4GHz帯
  • 5GHz帯

これらの周波数帯の電波は、みなさんのWi-Fiの使い方にあわせて適切な周波数帯を選ぶことでより快適にWi-Fiを利用できます。

2つのの周波数帯はそれぞれ特徴が異なるからです。

「〇〇するなら2.4GHz帯を使うと良い」

「☆☆するなら5GHz帯が向いている」

など、Wi-Fiの用途によって適した周波数帯というのがあります。

次からそれぞれの周波数帯の違いを解説していきます。

2.4GHzと5GHzの違いを具体的に解説!

Wi-Fiの周波数帯にはそれぞれ得意な役割があります。

以下にメリットとデメリットでわけて特徴をわかりやすくまとめました。

2.4GHz帯の特徴

2.4GHz帯のメリット

電波が遠くまで届く

2.4GHz帯の電波は、波長が長いため、広範囲にわたって信号が届きやすいです。

そのため、家全体や庭など、比較的広いエリアで安定したWi-Fi通信が可能です。

障害物に強い

壁や家具などの障害物を通過しやすい特性があります。

そのため、複数の部屋や階をまたいだ通信でもWi-Fiの電波が届きやすいです。

多くの機器が対応

多くのWi-Fi対応デバイス(スマートフォン、ノートパソコン、IoTデバイスなど)が2.4GHz帯に対応しており、互換性が高いです。

2.4GHz帯のデメリット

混雑しやすい

2.4GHz帯は、Wi-FiだけでなくBluetoothや電子レンジ、コードレス電話などの機器とも同じ周波数帯を共有しています。

そのため、混雑や干渉が発生しやすく、通信速度が低下することがあります。

通信速度が5GHzより遅い

通信距離が長い分、5GHz帯と比較すると通信速度はやや遅くなる傾向があります。

動画視聴やオンラインゲームなどの高帯域幅を必要とする用途では5GHz帯のほうが適している場合があります。

5GHz帯の特徴

5GHz帯のメリット

通信速度が2.4GHzより速い

5GHz帯は2.4GHz帯と比べて通信速度が速いです。

そのため、複数のスマホを同時につないで利用したり、動画再生やオンラインゲームなど多くのデータ量をやりとりする場面に最適です。

混雑が少ない

2.4GHz帯と比べて、利用するデジタル機器が少ないので他の機器との混雑や電波の干渉が少ないです。

そのため、通信速度が落ちにくく高速な通信を利用することができます。

5GHz帯のデメリット

電波の届く範囲が狭い

5GHz帯は2.4GHz帯と比べて波長が短いため、電波の届く距離が短いです。

そのため、部屋数の多い家やオフィスなど、Wi-Fiルーターから離れた場所で利用する場面ではWi-Fiの電波が途切れやすくなります。

障害物に弱い

壁や家具などの障害物が多い場所では、障害物にぶつかるたびに電波が弱くなりやすいです。

そのため、Wi-Fiルーターが壁や床に電波を遮られるような場所では通信速度が低下しやすいです。

対応しているデジタル機器が少ない

Wi-Fi対応機器の中には2.4GHz帯には対応しているが5GHz帯には対応していないデジタル機器も多いです。

そのため、機器によっては5GHz帯だと電波がうまくつながらずWi-Fiを利用できない場合があります。

周波数の選び方:家や用途に応じたポイント

周波数の特徴がわかったところで、周波数の選び方のポイントを解説していきます。

それぞれの周波数の特徴はわかったけど、結局どの周波数を選んでWi-Fiにつなげばいいの?

と疑問に感じている人もいるかもしれません。

周波数を選ぶときは、いくつかのポイントがあります。

ぜひ周波数の選び方の参考にしてください。

住宅環境での選び方

大きな家や複数階あるなら2.4GHz

大きな家や複数階ある場合は2.4GHzのほうがおすすめ。

2.4GHzの周波数帯は広い範囲で安定した接続が可能です。

Wi-Fiルーターから離れた場所でも電波が届きやすかったり、部屋や階が違う場所でWi-Fiにつなぐときにも壁を通り抜けて電波が届きやすいからです。

Wi-Fiルーターからの距離が離れた場所でつなぎたい場合は、2.4GHzを選んで接続するとよいでしょう。

狭い家やマンションなら5GHz

狭い家やマンションの場合、5GHzのほうがおすすめ。

5GHzの周波数はより高速通信が利用できます。

1人暮らし用の部屋が少ない小さな家や2階3階がないマンションなどの場合、Wi-Fiルーターからの距離が近い場所で利用できるので、5GHzの高速通信のメリットを活かしやすいからです。

Wi-Fiルーターからの距離が近くWi-Fiが安定してつながるなら、せっかく使える高速通信を利用しましょう。

用途での選び方

2.4GHz帯が適した用途

スマートフォンやパソコンなどで行う普段のインターネット検索や、スマートスピーカー・スマート家電などのIoTデバイスに最適。

2.4GHzの周波数は5GHzと比べて電波が安定してつながりやすいからです。

普段のインターネット検索は通信速度は高速通信でなくても特にストレスなく利用できますし、スマート家電やスマートスピーカーは常にネットに繋がっていないと役に立ちません。

そもそもスマート家電製品の中には5GHzに対応していないものも多いです。

そのため、普段のネット検索やスマートスピーカー・スマート家電などのデジタル機器は通信速度よりもつながりやすさを優先した2.4GHzの方が適していると言えます。

5GHz帯が適した用途

動画配信サービス(YouTube、Netflix、Huluなど)やオンライン会議、ゲームにぴったり。

5GHzの周波数は2.4GHzと比べて通信速度が速いからです。

動画サービスやオンライン会議、オンラインゲームなどはデータを大量にやりとりするので、5GHz帯の周波数のほうが通信速度が速い方が有利です。

通信速度が遅いと動画やゲームが途中でかたまってしまい再生されなかったり、動画の画質がさがりきれいな映像が見れなくなったりすることがあります。

そのため、動画やテレビ電話・オンラインゲームなどは5GHzの方が適しています。

ただし、5GHzは離れた部屋などWi-Fiルーターからの距離が離れるとつながりにくくなるので、そのような場所で利用するときは2.4GHzにつないだ方がいいでしょう。

最新技術:6GHz帯の登場!

新しいWi-Fiの規格であるWi-Fi 6EとWi-Fi 7の中には、新しい周波数帯である6GHz帯を利用できるWi-Fiルーターも登場しています。

これにより、さらに快適な通信環境が実現します。

6GHz帯のメリット

混雑が少ない

新しい帯域のため、他のデバイスとの干渉がほぼありません。

そのため複数の機器がある場所でも電波が途切れにくくなります。

超高速通信

最大通信速度がこれまで以上に向上しています。

高速通信ができる5GHzよりもさらに高速な通信ができるようになりました。

デメリット

対応しているWi-Fiルーターに買い替えたり、6GHzに対応したデジタル機器が必要です。

Wi-Fiルーターは対応していても、それにつなぐ機器が対応していなかったら、せっかくの高速通信の速度が出ません。

また、6GHz帯に対応したWi-Fiルーターは高性能モデルしかないので購入価格も高くなります。

導入を検討すべき人

6GHz帯に対応したWi-Fiルーターを導入をしてもいいというのは以下のような方です。

  • 最新技術を試したい方。
  • 動画サービスやオンラインゲームを複数のデバイスで同時に使うなど大量のデータ通信を行う家庭。

一般的な人が利用するまではまだ時間がかかりそうですが、よりよい技術はどんどん開発されてほしいですね。

トラブル解決!周波数の切り替え方と対策

通信が遅い場合の対策

つないでいる周波数が原因で通信が遅くなっている場合は、以下の方法で接続する周波数を変更することで改善することがあります。

周波数を確認

Wi-Fi設定画面で現在接続している周波数を確認しましょう。

②周波数の切り替え

Wi-Fiルーターの設定画面やデジタル機器のWi-Fi設定から、適切な周波数に変更可能です。

干渉対策

また、特に2.4GHz帯は混雑しやすいため、以下の対策を試してみてください。

  • 周波数設定を手動で変更。空いている周波数を選ぶことで改善します。
  • 電子レンジなど他の無線機器をWi-Fiルーターから離す。

まとめ:周波数を活用して快適なインターネット環境を!

Wi-Fiの周波数の特徴を知ることで、自宅のWi-Fi環境を快適にすることができます。

以下にまとめたポイントを実践してみてください。

  • 住宅環境やWi-Fiの用途に応じた周波数を選ぶ。
  • トラブル時には周波数を切り替えて通信を最適化してみる。

自宅や用途にあわせた周波数をうまく選んで、ストレスの少ないWi-Fi生活を送りましょう!