「Wi-Fi」と「インターネット」という言葉はよく耳にしますが、実はその意味や違いを正確に理解している人は意外と少ないです。
特に、家でスマートフォンやパソコンを利用していると、Wi-Fiがインターネットそのものと勘違いしてしまうことも多いです。
しかし、実をいうとWi-Fiとインターネットはまったく別のものなんです。
今回は、Wi-Fiとインターネットの違いを初心者にもわかりやすく解説し、どのように私たちの生活に役立てられるのかを詳しく説明していきます。
今回の記事を読むことで、あなたはWi-Fiとインターネットの違いをしっかりと理解できるようになり、より便利にインターネットを使いこなせるようになります。
ドコモショップ勤務15年以上で元店長の私ができるだけ専門用語をつかわずにわかりやすく解説するので、安心して読んでくださいね。
Wi-Fiとインターネットの違い:Wi-Fiは「手段」でありインターネットは「目的」である
Wi-Fiとインターネットの違いをシンプルにまとめると次のようになります。
- Wi-Fiはインターネットに無線でつなぐ方法(=デバイスをインターネットに接続するための手段)
- インターネットは、情報が集まる世界中のネットワーク(=情報やサービスが集まる場所)
つまり、「インターネット」は情報が集まる場所なので私たち利用者からすると「目的」です。
いっぽうで「Wi-Fi」はインターネットにつなぐ方法なので、インターネットに接続するための「手段」です。
私たちは「Wi-Fi」という手段をつかって「インターネット」につながり色々なことを知るという目的を果たすことができるんです。
Wi-Fiがない場所でも、スマートフォンでモバイルデータ通信(スマートフォンで行う通信)を使ってインターネットにアクセスできますが、Wi-Fiがあればデータ通信量を気にせずインターネットに接続できるようになるのがメリットです。
「インターネット」とはコンピュータ同士がつながり合う巨大なネットワークのこと
インターネットとは、世界中のコンピュータがお互いにつながり、情報のやりとりができる巨大なネットワークです。
私たちは、このインターネットという情報ネットワークにつながることで、サイトを見たり、SNSで友達と交流したり、YouTubeで動画を見たりといった様々な情報の発信・受信をインターネット上ですることができます。
- インターネットの役割:情報やサービスにアクセスするためのネットワークそのもの
- 主な使用場面:インターネット検索、LINEやメールなどのメッセージ送受信、YouTubeなどの動画視聴、オンラインショッピング、SNSなど
家庭やオフィスではインターネットサービスプロバイダ(ISP)というインターネットの入り口になる会社を通すことで、インターネットにつながり利用できる仕組みとなっています。
そのため、家庭でインターネットを使うためにはインターネットサービスプロバイダ(ISP)と契約して、毎月の利用料金を支払う必要があります。
個人が直接インターネットにつなぐことはできないんですね。
インターネットサービスプロバイダ(ISP)にはNTT東西やNURO光、J:comなどの光回線事業者があります。
こうした光回線事業者のおかげで、私たちはインターネット回線を使ってインターネットにつながることができるようになっているんです。
「Wi-Fi」とはデジタル機器を無線でインターネットにつなぐ方法のこと
Wi-Fiとは、無線でスマートフォンやパソコンなどのデジタル機器をインターネットにつなぐ方法です。
無線があるということはもちろん有線もあります。
もともとインターネットにつなぐためには有線でつなぐしかありませんでした。
たとえば、ガラケーやスマートフォンが登場するまでは、パソコンでインターネットをするのが基本でした。
なので、昔はパソコンでインターネットをするためにパソコンにケーブルで直接つなぐのが当たり前だったんですね。
技術の発達でWi-Fiが登場したことで、パソコンをインターネットに無線でつなげるようになりました。
このように、Wi-Fiは「無線でインターネットにつなぐ手段」の一つであり、インターネットそのものではありません。
Wi-Fiを使うことで私たちは、ケーブルを使わずにWi-Fiルーターからスマートフォンやパソコンへインターネットに手軽につなげることができます。
- Wi-Fiの役割:Wi-Fiルーターから各デジタル機器にインターネットを無線でつなぐ
- 主な使用場面:家庭やオフィス、カフェなどでスマートフォン、パソコン、タブレット、ゲーム機などの様々なデジタル機器にインターネットを接続する
Wi-Fiはあくまで「無線通信」の方法の一つであり、インターネット回線を無線で届けるための仕組みである点が重要です。
そのため、Wi-Fiルーターだけを家に置いてもインターネットを使うことはできません。
「インターネット回線」と「Wi-Fiルーター」がそろってはじめてパソコンやスマートフォンをWi-Fiでインターネットにつなぐことができるんです。
ちなみに、インターネットにケーブルでつなぐ昔ながらの方法を「有線LAN」と言います。
有線LANはパソコンなどをケーブルで直接つなぐことになるので場所を動かすことができず、利便性で比べるとWi-Fiよりも悪くなります。
Wi-Fiとインターネットの仕組みを図で理解しよう
Wi-Fiとインターネットは次のような関係でつながっています。
- インターネット回線がインターネットサービスプロバイダ(ISP)から提供され、家のWi-Fiルーターに接続される。
- Wi-FiルーターがWi-Fiを通じて無線の電波を出し、家中のデジタル機器がインターネット接続できるようになる。
- 各デジタル機器はWi-Fiの電波を通じてWi-Fiルーターと接続され、インターネットにアクセスできる。
このように、「インターネット⇔インターネットサービスプロバイダ(ISP)⇔Wi-Fiルーター⇔各デジタル機器」という流れでつながっています。
インターネットは情報の集まる大きなネットワークであり、Wi-Fiはそのネットワークにデバイスを接続するための無線手段であることがわかります。
Wi-Fiとインターネットの活用法
Wi-Fiとインターネットの違いがわかったところで、それぞれの特徴を活用してより便利に使うためのヒントを紹介します。
以下に上げたものはほんの一例です。
Wi-Fiは単なる接続手段ではありますが、いろいろな活用法を知ることであなたの生活を今よりもっと便利にすることができるかもしれません。
Wi-Fiの活用法
家族全員でインターネットをシェア
Wi-Fiルーターを使うことで、一つのインターネット回線を家族全員でシェアできます。
無線で各デジタル機器とつながるという特徴を活用して、一度にたくさんのデジタル機器とつなぐことができるからです。
たとえば、「家族みんなが一度にそれぞれのスマートフォンをWi-Fiに接続してインターネットを使いながら、書斎ではお父さんがパソコンをWi-Fiにつないで仕事をしたり、子ども部屋では子どもがタブレットをWi-Fiについてないで通信教育の授業を受けたり、リビングではお母さんがテレビをWi-Fiにつないで有料チャンネルの映画を見る。」ということができちゃうんです。
インターネットをシェアするだけでもかなり便利な生活ができそうですよね。
データ通信量の節約
自宅にいるときにスマートフォンでインターネットをするときは、モバイルデータ通信ではなくWi-Fiにつないでインターネットを使うことで、毎月のデータ通信量を節約できます。
「モバイルデータ通信」とは携帯電話会社を通してインターネットをすることです。
モバイルデータ通信ではスマートフォンの料金プランのデータ通信量を消費してしまいます。
ところがスマートフォンをWi-Fiにつなぐと自宅のインターネット回線を通してインターネットをすることになるので、データ通信量を消費せずに無制限にインターネットを楽しめちゃうんです。
料金プランによってはデータ通信量が増えることで料金が高くなる場合もありますが、Wi-Fiを使うことでデータ通信量を節約できるので料金が高くなるのを防ぐことができます。
また、料金プランによっては決められたデータ通信量の上限に到達すると速度制限がかかり通信速度が遅くなる場合もありますが、Wi-Fiを使うことでデータ通信量を節約できるので速度制限がかかるという心配も少なくなります。
通信速度の安定性
Wi-Fiはモバイルデータ通信と比べて動画の視聴や大容量ファイルのダウンロードが快適に行えます。
なぜなら、通信速度や安定性はスマートフォンのモバイルデータ通信と比べてWi-Fiの方が優れているからです。
モバイルデータ通信は各携帯事業者が設置した基地局(アンテナ)から発信される電波につないでスマートフォンでインターネットをするので距離も遠く接続数も多くなり通信速度が安定しません。
種類にもよりますが、一つの基地局(アンテナ)で数百メートルから数キロの範囲とその中にあるスマートフォンをカバーしないといけないからです。
Wi-Fiは無線とはいえ家庭の中の範囲だけなのでカバーする距離も短いしつながる数も少ないです。
そのため、Wi-Fiのほうがモバイルデータ通信よりも通信速度の安定性が優れているんですね。
スマートホーム化
家庭の色々なデジタル機器をWi-Fiにつなぐことでスマートホーム化することができます。
スマートホーム化することでこまかい家事を自動化できて生活の負担が軽くなり家庭生活を快適にすることができます。
たとえば、エアコンをWi-Fiにつなぐことで外出先から冷房や暖房をつけて帰宅時に快適な温度にしておいたり、リビングの照明をWi-Fiにつなぐことで朝と夜の決まった時間に照明をつけてくれたり、掃除ロボットをWi-Fiにつなぐことで外出先から掃除をさせたりと色々な活用法があります。
一つ一つは細かな作業ですが、毎日積み重なると結構な手間になることをやってくれるので、スマートホーム化をすることで生活はかなり楽で快適になります。
インターネットの活用法
情報収集
ニュースや趣味に関する情報、専門的な知識をインターネットを通じてすぐに調べることができます。
昔は新聞や雑誌、本やテレビなどが主な情報源でしたが、今は情報収集はスマホ1台あればそれらのメディアがなくても困らないくらいインターネット上は情報が豊富です。
もちろん情報の真偽については確認が必要な場合もありますが、スマートフォンやパソコンで検索窓に調べたいことばを入力するだけで「いつでも・どこでも・一瞬で」検索できる便利さはそれだけでも価値があります。
遠隔コミュニケーション
ビデオ通話やSNSを通じて、遠くの友人や家族とも簡単に連絡を取り合えます。
今までは遠隔コミュニケーションの方法として電話やメールで音声や文字のみでのやりとりでした。
インターネットやそれを使ったサービス会社が発達したことで、お互いの顔を見ながらのビデオ電話や画像動画を色々な人に発信してつながれるSNSなど、色々な方法で遠く離れた人といつでもどこでもつながれるようになりました。
ネットショッピングや予約
インターネットを使えば、商品の購入やレストランの予約などがスマホやPCから簡単に行えます。
今まではほしい商品が近くの店になかったり、忙しくて買い物にいけない子育て世帯などはなかなか買い物に行けなかったりと、買い物に行くこと自体が大変な場合もありました。
ネットショッピングができるようになってからは、ほしいものを探し回ったり遠方のお店まで遠出をしたりしなくてもスマートフォンやパソコンから「いつでもどこでも」買い物ができるようになりました。
Wi-Fiとインターネットをより快適に使うためのポイント
Wi-Fiやインターネットを日々利用していると、より快適に使いたいと思うこともあるでしょう。
以下のポイントを押さえておくと、Wi-Fiとインターネットを最大限に活用することができます。
1. Wi-Fiの電波強度をチェック
Wi-Fiの電波が弱いと、接続が不安定になり、動画が止まるなどの問題が発生します。
Wi-Fiがつながりにくかったり不安定になるとかなりストレスがたまります。
快適なインターネット生活を送るためにもWi-Fiの電波強度には注意しておきたいです。
Wi-Fiルーターは家の中心や電波が届きやすい場所に設置することで、家全体で安定したWi-Fi接続が可能です。
2. インターネット回線の見直し
インターネットの利用目的に合った回線を選ぶことも重要です。
たとえば、スマートフォンやパソコンでインターネット検索をする程度ならホームルーターでもいいでしょう。
ただ、動画配信サービスやゲームなど大容量データをやりとりするなら、光回線のような高速なインターネットが最適です。
それぞれに長所と短所があるので、あなたのインターネットライフにあわせてどのインターネット回線を選ぶのか検討しましょう。
3. セキュリティ対策を強化
Wi-Fiルーターにはパスワードを設定し、暗号化を行うことで、不正なアクセスを防止できます。
通常Wi-Fiルーターははじめからパスワードが設定されているので、あんしんして接続しても大丈夫です。
また、Wi-Fiだろうが有線だろうがモバイルデータ通信だろうが、インターネットを利用する場合はウイルス対策ソフトを入れるなどセキュリティ対策は基本です。
インターネットにつながっている以上は誰でもウィルス感染などのリスクにはつねにされされていると心得ておくべきです。
まとめ:Wi-Fiとインターネットを正しく理解しよう
Wi-Fiとインターネットの違いについて、初心者にもわかりやすく解説しました。
Wi-Fiとインターネットの違いを知っておくことで、インターネットの利用がより便利で快適になります。
インターネットは情報が集まるネットワークであり、Wi-Fiは無線接続の手段です。
どちらも私たちの日常生活に欠かせない存在ですが、その役割や仕組みを理解しておくことで、インターネットやWi-Fiをあなたの生活を快適なものに活用することができるでしょう。
上手に活用して快適なネットライフを楽しみましょう!