さっそくですが、Wi-Fi 7って聞いたことはありますか?
Wi-Fi 7は2024年に発表された最新のWi-Fiの規格のことです。
実は、Wi-Fiの技術は年々進化していて、数年に1回新しい規格が出ているって知ってましたか?
このようなWi-Fiの歴史や技術の発展について知っている方は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、初心者の方でもわかるようにWi-Fiの歴史と技術の進化についてわかりやすく解説します。
今回の記事を読むことで、あなたもWi-Fiの歴史と進化について詳しくなれます。
それだけでなく、Wi-Fiの最新技術について知っておくだけで今後のWi-Fiライフを快適なものにできるかもしれないので、知っておくだけでも役に立つと思います。
ドコモショップでの勤務経験15年以上で元店長の私が初心者でもわかるようにわかりやすく説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
Wi-Fiとはインターネットに無線でつなげる方法のこと
そもそもWi-Fiとは、ケーブルを使わずにインターネットに接続できる技術のことです。
パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器が、電波を通じてWi-Fiルーターにつながることで、インターネットを使えるようになります。
有線が無線になったというだけの話ですが、Wi-Fiが普及したおかげで家中どこにいても手軽にネットに接続できる時代がやってきました。
では、この便利な技術がどうやって生まれ、進化してきたのかを見ていきましょう。
Wi-Fiの誕生:最初の一歩
Wi-Fiが今の形で普及するまでには、さまざまな技術革新と試行錯誤がありました。
Wi-Fiの始まりをたどるには、まず「無線通信」という考え方の登場までさかのぼる必要があります。
無線通信の始まり
19世紀末、イタリアの物理学者グリエルモ・マルコーニが無線通信の基本技術を発明しました。
彼は電波を使って遠くの相手と通信することに成功し、これが無線通信の基礎となります。
この技術は当初、軍事や船舶間の連絡に使用されていましたが、次第に私たちの日常生活にも応用されるようになりました。
無線通信からWi-Fiへ
無線通信が広がる中で、1970年代から1980年代にかけて、コンピュータを無線で接続する技術の研究が進みました。
そして1997年、「IEEE(電気電子学会)」が、現在のWi-Fiの前身となる無線通信の規格「IEEE 802.11」を発表します。
この規格は、無線を使ってデジタル機器間でデータをやり取りできるようにするための基礎技術です。
Wi-Fiの進化:速度と安定性の向上
Wi-Fiは登場以来、何度も進化を遂げています。
その主な進化は「速度」と「接続の安定性」に関するものです。
Wi-Fiをより快適につかうためには、通信速度と安定性の向上が不可欠だからです。
ではその歴史を振り返りながらWi-Fiの進化を見ていきましょう。
Wi-Fiの読み方
Wi-Fiの進化について説明する前に、Wi-Fiの呼び方について説明しておきます。
Wi-Fiの正式名称は「IEEE 802.11」と書き「アイトリプルイーはちまるにてんいちいち」と読みます。
「IEEE 802.11〇〇」という感じで後に続く英字によって世代が進化していきます。
この正式名称が長すぎてわかりにくいため、ある世代から「Wi-Fi〇〇」と書き「ワイファイ〇〇」という読み方になるように変わりました。
「Wi-Fi〇〇」のようにWi-Fiの後に続く数字によって世代が進化していきます。
読み方が短くなっただけでなく、世代を数字で表すことで世代の進化がわかりやすくなりました。
これからWi-Fiを検討している方やすでにWi-Fiを利用している方は、現在主流となっている「Wi-Fi〇〇」の読み方で覚えてまったく問題ないでしょう。
① 最初のWi-Fi(1997年)
Wi-Fiの最初のバージョンは、1997年に登場したIEEE 802.11規格です。
この規格により、理論上の最大速度は2Mbps(メガビット毎秒)となりました。
しかし、当時はまだインターネット接続自体が遅く、家庭内でも有線での接続が主流でした。
そのため、この初期のWi-Fi技術は、主に商業や専門的な環境で使われていました。
② IEEE 802.11b(1999年)
1999年に登場したIEEE 802.11bは、Wi-Fi普及の第一歩でした。
このバージョンでは、最大速度が11Mbpsに向上し、家庭用のインターネット接続でも十分な速度を出せるようになりました。
また、この時期には、Wi-Fiに対応したデジタル機器の価格も下がり始め、多くの家庭でWi-Fiが使われるようになりました。
③ IEEE 802.11a/g(2003年)
2003年に登場したIEEE 802.11aとIEEE 802.11gは、速度が飛躍的に向上しました。
802.11aでは、最大速度が54Mbpsに達し、802.11gも同じく54Mbpsの速度を実現しました。
これにより、インターネットの普及と共にWi-Fiの使用がさらに広がり、オンラインゲームや動画再生といった、よりデータ量の多いつかかたにも対応できるようになりました。
④ Wi-Fi 4 (IEEE 802.11n)(2009年)
2009年に登場したWi-Fi 4 (IEEE 802.11n)は、Wi-Fiの歴史において画期的な進化を遂げた規格です。
この世代からはじめて読み方に「Wi-Fi〇〇」と短い読み方が採用され始めました。
この世代では、速度が600Mbpsに向上し、複数のアンテナを使用してデータ転送の効率を上げる技術が導入されました。
これにより、大規模なデータのダウンロードや、高画質なビデオ通話などが可能になりました。
⑤ Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac)(2013年)
2013年に登場したWi-Fi 5 (IEEE 802.11ac)は、5GHz帯を利用して、最大6.9Gbpsの速度を実現しました。
この規格の登場により、Wi-Fiはますます高速かつ安定した通信ができるようになりました。
また、より多くのデジタル機器が同時にWi-Fiを利用しても、通信が途切れにくくなりました。
⑥ Wi-Fi 6/6E(IEEE 802.11ax)(2019年)
Wi-Fi 6/6E(IEEE 802.11ax)は、2019年に登場したWi-Fi規格です。
最大速度は9.6Gbpsと、前世代と比べて向上しました。
さらに、接続デバイスが多くなっても通信速度が低下しにくい特徴があり、現代の家庭やオフィス環境に最適です。
Wi-Fi 6/6Eは、スマートホームデバイスやIoT機器などWi-Fiに対応した家電製品が増加する中で、安定した通信環境を提供します。
⑦ Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)(2024年)
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、2024年に登場した最新のWi-Fi規格です。
6GHz帯を利用することができるようになり、最大速度は46Gbpsと、前世代と比べて大幅に向上しました。
通信の乱れや遅れが限りなく少なくなるという特徴があるため、家庭やオフィスだけでなく医療現場や産業といった場面での活躍も期待されています。
Wi-Fi 7はさまざまな分野での活用でこれまでよりさらに社会の役割を果たす可能性があります。
Wi-Fiの普及と私たちの生活への影響
Wi-Fiは、私たちの日常生活に欠かせない存在となっています。
Wi-Fiはすでに家庭だけでなく、仕事や教育現場でも活用され、社会の重要なインフラの一部としての役割を果たしています。
Wi-Fiの進化によって通信速度や安定性が飛躍的に向上し、いろいろな場面でWi-Fiの便利さが活かされてきたからです。
インターネットを使った仕事や娯楽はもちろん、オンライン教育やリモートワーク、さらには家電製品を活用したスマートホームにもWi-Fiは欠かせません。
具体的にどのような場面で活用されているかを紹介しましょう。
Wi-Fiによるリモートワークの進化
ビジネス面でWi-Fiが私たちの生活に与えた最大の影響は「リモートワーク」です。
リモートワークが急速に普及した背景には、Wi-Fiの発達が大きな要因としてあります。
Wi-Fiのおかげで、オフィスに行かずに自宅で仕事ができる環境が簡単につくれるようになったからです。
オンライン会議やインターネット上でデータを共有できるツールを利用することで、場所を選ばずに仕事ができるようになりました。
ビジネスマンにとって、Wi-Fiの発達により通勤時間の削減など効率よく時間を使って仕事をすることができるようになりました。
Wi-Fiによるスマートホームの拡大
家庭でWi-Fiが私たちの生活に与えた最大の影響は「スマートホーム」です。
Wi-Fiの活用で、スマートフォンやパソコンをインターネットに接続するだけでなく、家中の家電製品をコントロールすることができるようになりました。
Wi-Fiの発達にあわせて家電製品も急速に進化し、Wi-Fiにつながる機能をもった家電製品が続々と登場するようになったからです。
このようにいろいろな家電製品をWi-Fiにつなぎコントロールできる家のことを「スマートホーム」と言います。
スマートホームでは、照明やエアコンや加湿器やカーテン、玄関の鍵やインターホンや防犯カメラ、テレビや給湯器やロボット掃除機などをWi-Fiで接続し、スマートフォンやスマートスピーカーで操作することができます。
スマートホームにすることで、家電をタイマーで動かしたり声で指示して動かしたり外出先から動かしたり、家事を効率化して生活を便利でラクにすることができます。
Wi-Fiを利用する際の注意点
便利なWi-Fiですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
特にセキュリティ面での対策は重要です。
公共のフリーWi-Fiを利用する場合、パスワードの設定や通信の暗号化がしっかり行われていないと、第三者にデータを盗まれるリスクがあるからです。
Wi-Fiセキュリティの基本
自宅やオフィスでWi-Fiを使う際は、必ず強力なパスワードを設定し、WPA2やWPA3などのセキュリティを使用して暗号化を有効にすることを強くお勧めします。
パスワードを知っている人しかつなげられないようにしておけば、誰にでも自宅やオフィスのWi-Fiにつながれるのを防ぐことができるからです。
また、定期的にWi-Fiルーターの設定を確認し、最新のファームウェアにアップデートすることも重要です。
フリーWi-Fiのリスク
カフェや空港などで提供される無料のフリーWi-Fiは便利ですが、セキュリティ面でリスクも高まります。
フリーWi-Fiでは通信が暗号化されていないことが多いため、悪意のある人があなたのデータにアクセスできる危険性があるからです。
そのため、フリーWi-Fiを利用する際には、VPN(仮想プライベートネットワーク)を使って通信を暗号化するのが効果的です。
VPNとはフリーWi-Fiなどの誰でもつなげるような通信網をつかう場合に、自分専用の通信のトンネルをつくり、他人から通信を除き見られないようにトンネルの中で安全にインターネットをすることができる機能のことです。
VPNは最近のスマートフォンならほとんどの機種に搭載されている機能なので、フリーWi-Fiにつなぐときは積極的に利用するようにしましょう。
まとめ:Wi-Fiの進化を理解して未来を見据えよう
Wi-Fiは、私たちの生活に欠かせない技術として、誕生から今日に至るまで大きな進化を遂げてきました。
速度や安定性の向上に加えて、スマートホームやリモートワークなど、生活のあらゆる場面で利用されるようになっています。
これからもWi-Fiの進化は続き、さらに高速で便利な未来が訪れるでしょう。
Wi-Fiの歴史と進化を理解することで、今後の技術革新に備え、私たちの生活をより快適にするための選択ができるようになります。